ぼや騒ぎ

 ~日々徒然なるままにひぐらし

窃盗罪の糞野郎共

 事の始まりは先月の中旬くらいだったか。事務で勤務している方が、突然僕に話しかけてきたのだ。普段のおちゃらけた感じとは異なる至妙な顔つきで、彼女は「最近自分の財布から3万がなくなった」と話した。聞けば、今日確認したら入っているお金が少なくなっており、しかもここ数日財布を使った記憶がなく、カバンから取った記憶もないのだという。僕とは違いお金の管理をきちんとしているその方は、財布の中にはいつも同じだけの金額を入れているというのを昔に聞いたことがあって、一瞬脳裏に浮かんだ「勘違い」という線は消えていた。となると、考えうるのは誰かがお金を盗んだ可能性で、僕や事務員さんからしてみれば、スタッフを疑うその行為は、一番考えたくない候補なのだが、残念ながら、僕ら二人して同じ人物が一人頭に思い浮かんだのだ。

 そいつは最近入社してきた後輩。歳は20くらいで、性格はとんとバカ。何を教えても理解せず、わかったような素振りは見せるものの身になった試しもないくせ、やけに大口だけは叩く糞野郎。また、若すぎるためかものすごく社会経験不足で、マナーがなっていない点等々、貶せばきりがないが、僕の会社で言うところの「ガサツ」なやつなのだ。そんな彼だから、僕ら二人が一番最初に窃盗の疑いを掛けるのは当然だし、盗られた本人が「長くここで勤めているけど、こんな事件が起こるのは初めての事」と話すのも相まって、後輩に疑いが掛かるのは必然だった。

 ちなみに僕はというと、お金の管理はまったく行っておらず、財布にいくら入っているのかも分からないので、たぶん千円、もしくは5千円くらいなら抜かれても気が付かないくらいに、ずさんな管理体制です。

 

 ーそうして煮え切らない気持ちを携えながら、犯人も分からずに、次の事件に移ることになる。

 

  それがおとついの出来事。なんと今度は金庫(お金の保存している場所を総称)からお金が抜かれていた。金額は2万円くらい。今までこんなことがなかったと嘆く事務員さんは、二度目の出来事にやる気が喪失してしまい、経理をやめたい…などと呟くようになってしまっていた。僕自身にもこのとき既に異変を感じており、どう考えても昨日の財布の金額と今日では違いすぎている気がしていたのだ。

 店長含めた3人で対策を考え、前回の時既に行っていた対策(金庫以外にある個人のお金は完全に持って帰る)を強化し、金庫の中身から何からすべて、事務員さんが持って帰るということを耳打ちした。当然僕も個人的な対策として、金額をきちんと数え、管理を十分にした。

 その日の夜。

 

 僕の財布から7000円なくなっていた。一瞬目を疑った。たぶん自分が昨日数えた金額を間違えたんだとか、呑みに行ったんで、そのときに持っていってしまったんだとか考えたが、どう考えても頭の中では矛盾しかなく、なによりも最終確認したときにあったはずの「5000円札」がないのだ。この瞬間、隣に居た後輩が本当に気持ち悪くて気持ち悪くて気持ち悪くて気持ち悪くて気持ち悪くて仕方がなく、なんでコイツは人の金を盗んでいるのにヘラヘラと笑っていられるんだとか、もしかしてこの間奢ってもらった昼食も、実は僕の財布から盗んだお金から出てるんじゃないかと考えるだけでもうもうやるせなくなり憤りを感じ、吐き気はするしでも確信はないから熱くはなれないしどうすればいいのか気持ちがまとまらず分からなく困り果ててしまった。


次の仕事に差し支えるんで、ここでやめます。後でまた更新するかも